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『食べものだけで余命3か月のガンが消えた』

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ただいま新じゃが販売中。発送は6月に入ってから。まだ土に埋まってます。
桃との同梱も大丈夫ですよ~




ネガティブなことは書きたくないのですが、
これについてはやはり書きたいなと思ってしまう。書きますね。


『食べものだけで余命3か月のガンが消えた~全身末期ガンから生還した、私のオーガニック薬膳ライフ』
(高遠智子著・幻冬舎)は、

ガンが発覚してまもない時期に、まとめて買った本の一冊です。
この時期に手に入れた本は、読み返す価値もない本が多いのですが
がんについての知識が少ないので、それでもそのときには必要な本だったりしました。
でもこの本は、当初から「変な本買ってしまった」というかんじで、
早々に売り飛ばす本の箱(そういうものがあるんです)にいれていました。

そろそろ売り飛ばし予定の本も増えすぎたので、まとめて店にもっていこうかと、整理していたある日。
「変な本」が久しぶりに目に入ったので、ちょっと読んでみました。
しばらく読んでみて・・・・・

寝ようとしていた布団から飛び出し、リビングにもどってスマホを開き、著書の名前を検索し、

「やっぱりねえ」

と声が出ました。ネットではとうに知られた問題児さん、それがこの本の著者でした。


はじめてこの本を読んだときはがんをハンパにしか知らなかった「がん初心者」でしたが
今や、相当がんとお友達になって、酸いも甘いも知り尽くした関係になっています。
そんな私から見ると、この本に書いてあることは、

まぎれもなく嘘だらけ。

まず、わたしは昨日まで知りませんでしたが
著者が嘘だと認めているのは、この本が世の人に20万部以上も読まれる理由の大きな部分を占めると思われるところの、

●エコール・リッツ・エスコフィエでフレンチガストロミー上級ディプロマ取得
●中国北京中医薬大学薬膳学専科で国際中医薬膳師免許取得

というのが経歴詐称であったこと。
顔写真を大きく表紙に出し、おそらく本名で、ここまで大胆な嘘をつける人がいるなんて、
最近世間をさわがせている監督なみの豪胆さ、分厚いツラノカワといえましょう

フィクションであれば、おもしろい読み物なのです。
こんな具合なのですから。

ある日、両親をガンでなくし、継母にいたっては自殺で亡くした
独身の28歳の著者は、卵巣がんの宣告と同時に、余命3か月の宣告を受けます・・・・・。

(この方は経歴詐称のカミングアウト後も、新刊をだし続け、そのすべてに「余命三ヶ月」をつけています)

ここでガンを知っている人なら、
「ちょっとまったああああ!!」です。

CT画像を見ただけで余命三ヶ月という医者がいるか?
手術後、ブツを確認してからでないと、ステージだってわからないのに。
余命というのは、医者なら誰でもわかるすっきりした数字ではなく、ものすごく幅のあるものです。
「1年もたない」くらいの大雑把さなら言う医師もいるかもですが、
CT画像を見ただけで、28歳の女性に、「3か月後あんたは死にます」と言い切る医師はいないでしょう。


「スキルス性」の卵巣がんと書いてあるのですが、そんなものはない。

抗がん剤や放射線といった治療のことは少々具体的に書かれているのですが、

「いろいろな先端治療を組み込みながら、再発を繰り返し、免疫力も時には途絶えながら」(P18)

なんでここで「いろいろな」?
文章の変さはさておき、なぜ、先端治療だけ治療名を列記せず、「いろいろな」でおわりなのか。
その名前を言わなくちゃ。だって、高額ですから。しっかり選んだはずですから。
「いろいろ」ですませているのは、受けてないからでしょう。


「花粉の影響も受けて、目の角膜は2回剥がれ落ち、人工角膜。」(P18)

1990年代に人工角膜の手術を受けられたのかどうか、かなり疑問です。
現在でも国内で限られた施設でしか行っておらず、以下のようなサイトもありました。

「現在、日本においても、岡山大学を始め、『人工角膜』の研究が進められています。しかしながら、まだ研究段階であり、実用されるまで数年、そして、臨床実験、医療認可されるまで、10年は必要とすることでしょう。 現段階では、『角膜移植』の代用としては、限りなく実現性のないものです。(2013 国際医療サービス)」


嘘のつきかたが大胆なのです。


ノンフィクションでなく、フィクションならおもしろかったのにね、と思うのは
この方、ガンが全身に散らばっていながら、単身パリに渡ります。
そしてがんの疼痛を抱える身で、歩くこともできないくらい衰えた体で
フランス語もできないのに、調理経験もないのに、
料理学校の名門エコール・リッツ・エスコフィエに入学し、学位を取るまでがんばります。

がんの疼痛というのは、きつい生理痛のもっときついの、と考えるとわかりいいと思います。
ドラッグストアに売っている鎮痛剤では効きません。
麻薬系のクスリでないと。

彼女の場合、「脊髄のがんの疼痛の対策で携帯カイロを腰にあてていました」(P24)
というだけで、パリで、その疼痛を乗り切ったそうです。

考えられない話です。
途中、知人より「ハーブ、アロマの専門医も紹介」されて、疼痛緩和のための植物療法を受けたそうですが、
そのときに使ったハーブの名前がまた、ひとつも上げてられていないので、
それも作り話なんだろうなと思わざるをえません。


まあこういう本なのですが、
経歴詐称の内容でそのまま売っている幻冬舎、おかしくないか。
この本のユニークさは、彼女ががんを抱えていながら異国でディプロマをとるまで頑張ったところにあるのに。
それは嘘でした、と本人認めているのに。
ノンフィクションとして売っている。

詐欺です。わたしが暇だったら出版社を訴えます。


食べものでがんを治す系の本はたくさんあります。
でも、「余命3か月」と「ガンが消えた」の2ワードを擁するタイトルの破壊力は、
がん患者にとってはんぱないことを、わかってつけている版元のやり方は、かなりキタナイ。

余命・・・とつく本や映画が、人の感興をそそることは、重々承知ですが、

顔を出して名前を出しても、堂々と嘘をつく人がいるくらい
がんビジネスはモウカルということを、この本は教えています。


抗がん剤治療も、放射線治療も、各種の先端治療も、
植物療法も受けていると書いていながら 


『食べものだけで余命3か月のガンが消えた』

とタイトルつける商法があざとい。いえ、あつかましい。
この矛盾をあえて行うのは、

多くのがん患者が、
標準医療以外の方法に、がん治療への夢を託したいと思っていること、そして
多くの版元が、
アンチ標準治療のニュアンスのあるがん関連書籍は売れる、とわかっているから。


本の作り方じたいは、サプリメントや代替治療を宣伝する手法にもおおいに通じています。
一人の成功例が、誰でも成功の可能性があるかのように広告宣伝する手法。

法律で、「病気が治った実例」をあげて物品を販売することは禁じられています。
広告だけでなく、ネット記事もしかり。
でも、治癒の実例を使った治療や物品の紹介記事はびしばし目に入ってきます。
お金を払って有名人に実例になってもらうのはよくある話ですが、
その有名人が知的な人だったりするときにたちが悪い。信じたくなりますもん。


とにかく、この本は買ってはいけない「がん本」の代表として、どうぞ覚えておいてくださいませ。



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