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がん患者の医者へのかかりかた

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おとといは、3週間に一回の通院の日でした。
朝、6時半に家を出て、8時半に病院につき、血液と尿とレントゲンと簡易CTをとり、20分後には診察室に呼ばれました。

押川先生とお話できるこの日を私は楽しみにしていまして、抗がん剤を入れにいくのに、指折り数えて待ってます。
「それって大丈夫なの~~」と友人に言われるほどですけど、
車の運転が不安な私なので、病院へは残念ながら毎度オットと行きます。

今日は診察室で、がん患者は、医師とどんな話をしているのかをレポートします。
「模範患者はこうするもんだ」という意味で書いてはいないですが、
スパルタ主治医に叩き込まれた患者学が
ひょっとしたら私の小さな頭にもすこしは入っているかもしれません。

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部屋に入ると、まず、3週間の私の状態をメモしたものを提出しました。

これは普段つけている日記をもとに、受診日の前日あたりに書いています。
先生から「見せて」といわれないと見せないけど、必ずもって行きます。
今日は自分から見せました。今回、初めて痛みが続いたから。
このように副作用が出たことじたいが、この三ヶ月で初めてだったのです。


●口でいうより、紙で見せる効果は絶大

先生「痛いのは前の受診日の朝からだったんですね」
私「抗がん剤いれる前からだって、3週間前にもいいましたよっ! 何回も!」


口でいうより、文字で見せないとわかってもらえないことがあるなあ、と思ってましたが、やっぱりそうですね。
私の言い方は失礼ですが、言うだけじゃ伝わらない。相手が理解できるよう伝えるのが難しい。
先生のおかげで深く理解しました。

●医師には、薬剤名と分量を正しく伝える

先生「オキシコンチンはだいたい一日40mgですか?」
私「自分の状態をみながら、自分で調節しなさいと先生が言ってたから、20mgの日も55mgの日もあります」
先生「(報告書をみながら)毎日変えるのはよくないです。三日は同じ量で続けないと、補助で飲むオキノームとのバランスを見ることができないですから。オキシコンチンとオキノームは内容が一緒ですから意味がない」
私「あ、そうなんだ。それ、わかってなかったです」


上の薬は麻薬系鎮痛剤の名前です。麻薬系鎮痛剤には誤解が多いですが、5月にこれを飲み始めてQOL(生活の質)が圧倒的に向上しました。麻薬系を飲むのは死ぬ直前というのは間違いですよ~

●医師の方針に納得しなければ反論する

先生「これ飲み始めるまで、痛みはどこにありましたっけ」
私「おしりです」
先生「いまは?」
私「痛みが、まったくないです」
先生「今痛いのは、どこがいちばんですか」
私「このへんです」
先生「薬の目的が最初と今とで違うものになっているんですね」
私「言われてみれば・・・」
先生「その痛みは、がんの痛みじゃないかもですね」
私「副作用の痛みですか」
先生「薬の量を百%にして二回目・・・、副作用がこれまではなかったのに強く出ている・・・。二回目で副作用が強くでるってことはよくあることではあるんですよね」
私「今日は抗がん剤を減らすんですか?」
先生「もちろんです!」
私「えー、減らすほどの痛みじゃないから、減らさなくてもいいんじゃないかと思うんですけど」
先生「いや、減らしましょう! 我慢したら治療は長続きしません!」
私「・・・今、ここが痛い理由ってなんなんでしょう?」
先生「わかりません」


私に抗がん剤は無理・・・と信じた3ヶ月前の自分は遠く、いまや抗がん剤に対してイケイケドンドンな私です。
結局、分量を減らすという医師の意見が通過。

●知りたい情報を医師が教えてくれなかったら自分からたずねる

私「腫瘍マーカーはどうでしたか?」
先生「これです(紙を渡す)」
私「うわ~、数値が5分の1になってるじゃないですか(早く言えよ~)」
先生「腫瘍マーカーっていうのは指標にならないんですよ」
私「そうなんですか?」
先生「上がったり下がったりするもんなんですよ」
私「でも、この場合は喜んでいいでしょう?」
先生「あとでがっかりするだけですよ」


主治医は、初対面のときから、楽観的なこと、安易な結論、をぜったいに口にしません。
ちょっとくらいいい気にさせて~と思うけど、
エビデンスに基づく治療(EBM)を正しく世に広める啓蒙活動もしている先生らしいというべきでしょうか。


私が主治医の押川先生に、最初の受診のときに言われたのは以下の二点でした。

【1】 薬の名前は全部おぼえること。これは基本です。

薬の名前って長いものが多いし、めった飲まないものを含めるとたくさんある。無理です。
と思ったけれど、先生との会話の端々で、

「薬をのんだらこうなった」
など、私がイイカゲンなことをいうと必ず、
「なんていう薬ですか。名前でいってください」
と、スパルタ教師のように押川先生から返ってくるので、覚える努力をするようになりました。


【2】 日記をつけて、次の受診のときに報告してください。

病状が一日一日大きく違うので、先生に言われる前から、日記はつけているんですが、
薬の効き方、飲んだ回数、飲んだ量まで正確につけようと思うと、かなりめんどくさい。
一日の終わりにまとめてつけると忘れるので、キッチンカウンターに常置して、飲んだら書く、を実行しています。


今回、上記を書いたのは、これから書くことを書きたかったからです。

先日、国立病院機構関門医療センター(山口県下関市)で、抗がん剤による、起こってはならない事故が起こりました。
ヤフーニュースであがって来たのを読んだとき、
「これが日本の抗がん剤治療のあたりまえだと、また多くの人が思ってしまうな・・・」と暗い気持ちになりました。

その病院でなくなった患者の投薬を担当したのは外科医で、患者に対して5日間で終了すべき薬を39日間も投与したのだそうです。

薬を飲むことで起こる副作用を、患者は果てしなくどこまでも我慢しなければならないと、
患者や患者の家族に思い込ませたのはなんだったのでしょう。

医師と病院に百%の過失があったのは、間違いないですが、
患者と患者の家族に服用している薬の副作用に対し
医師からアドバイスを受けることができるという考えはなかったと思われます。

「先生、これ異常ですよ。いったんテモダールをやめてみたらどうでしょうか」

なんてせりふがいえる患者や家族であれば、状況は変わっていたのではないでしょうか。
いい医者にあたる確率はものすごく低いかもしれないけど、
自分がいい患者(いい患者の家族)になれる可能性はとても高いです。

勉強することができます。本もあるし、ウエブサイトも、講演会もある。

家族が病気になる前に、自分が病気になる前に、必要なことをしっておけたら、
少なくともどんな情報が必要かを知っておけたら、絶対的に予後が違います。
医療費がバカ高いアメリカでは何にお金を払っているかに対し患者はシビアにならざるをえず、
真剣に自分が受けている医療を勉強するそうです(主治医の受け売りです)。


9月1日に主治医が埼玉県越谷市で講演をするそうです。
ともに演台にあがるのは、たいへん有名な方々。
(宮崎県から登壇する押川先生も一部でもとても有名ですけど!)

病院で治療を受けるな、といいながら、すてきなストーリーでファンタジックな病気治しへ導き、
詐欺なお金もうけをする先生がたの情報は、いつでも手に入ります。

でも、この日、ここで手に入るような情報はそうそう手に入りませんので(おそらく)、
少し無理してでも行ってみればいいのではないかと思います。
押川先生は一日中会場にいて、無料でがんの治療相談にのってくださるそうですよ。

イベントを紹介した押川先生のブログ

ところで、
押川先生のいる病院は看護師さんも、押川先生にどんどん異見をさしはさみます。
「先生違いますよ!」的なことを患者の目の前で言う、あるいはカーテンの向こうで電話している看護師をみて、
風通しのいい病院だなあと、感心しました。

テディベアによく似た押川先生だから、看護師さんが遠慮呵責ないのかもですが。

建物の図体が大きいだけの、権威ぶった医師ばかりの病院では、
看護師からの声も上にあがらず、事故が起こりやすいような気がします。

ちなみに看護師さんたちが私のために先生に言ってくれたのは・・・・
「ウチヌノさん、下痢で弱っているから入院が一日長くなっても抗がん剤の投与は明日から始めたほうがいいんじゃないでしょうか」
「ウチヌノさんに、病院の帰りに陶板欲に行ってもいいって言ったそうですね。ダメですよ。体温が上がると薬剤が入るスピードが変わるんですから!」

こういうふうに看護師さんが医師にもの言える病院であれば、山口県の事件は起こりえなかったのではないかと。
そりゃ甘い、周囲の異見を無視するカルチャーこそが問題の根元の一つだ、かもですが。



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