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「24センチのがんが消えた」話を聞きにいきました

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ぶどうの収穫、今日もやってます


友人Yくんから

「24センチのがんを抗がん剤で、鉛筆の芯くらいにちっちゃくした人がいる」

という話を聞かせてもらったのは、先日の水上村の野焼きの日。
それは会いに行かねば、と連絡先を教えてもらおうとしたら、

「毎日きゅうり畑にいるから、畑にいったらいいよ」とのこと。

りょーかーーい!!

でもその前に、わが主治医押川先生にメールでおたずねしました。
がんにまつわる「大盛り」話はちまたにあふれていますから。

「そんなことってホントにあるのでしょうか。どこか誇張があるんですかね?」

とメールしたら、先生からお返事がきました。

「通常、腫瘍が大きいほど抗がん剤は効きにくくなりますが、消失することはたまにあります。
といっても芯が残ることが多いです」

おー、話が符合してるではないですか!
これは行くしかない、とおっととともに、きゅうり畑にいってみました。


「すみませーーん」

立派なハウスが並んでいるそこから、まさに軽トラで帰ろうとしているところにぎりぎりで間に合いました。

「はあ、なんですか?」

うわ、めちゃかわいい。40代のつやつやピカピカしたいい男が軽トラから出てきてくれました。

「Yさんから聞いて錦町からきたんですが・・・・」とこちらの趣旨を説明すると、

破顔一笑とはこの顔をいうのね、と思わせる、ますますかわいい顔で、

「そーーなんですよ、鉛筆の芯くらいの大きさになったんですよ」

奥さんはいないのかな?

「あんまり元気になりすぎて、今はAとBのかけもちで今日も働いてるんです」

AとBはスーパーの名前です。会えないのか、ちょっとがっかり。

「どれくらいの期間、抗がん剤を受けられたのですか」

「半年かな。何週間かにいっぺん病院にいって。そしたらどんどん小さくなって」

「すごいですねえ」

「そうですよ。小さい芯を最後に手術でとりましたけど、あっと言う間に手術終わったし、入院も5日しかせんかったですよ」

「薬がものすごくあってたんですね。どこの病院に行かれたのですか?」

「あそこです、人吉総合病院です」

え? とわたしとオットの顔には書いてあったはず。

「しっとりますか? すばらしい病院です。設備も最新式でねえ」

「いや、もちろん、知ってます」

キュウリ農家さんの人吉総合病院(正式名称 人吉医療センター)賛美は、しばらく続いたと思います。
地域がん診療連携拠点病院ですから、
がんになったらここで、というのはこのへんの住民にとっていちばん普通の、あたりまえのせんたくです。

が、

です。
じつはその前日、うちにきた友人Yちゃんから

「人吉のあそこはひどい病院だ」話をたっぷり聞いたところでした。

いや、Yちゃんに限らず、

「どこの科もひどい」
「医者だけでなく、看護師の質もひどい」
「せめて普通にしてくれ。すばらしいとかまで求めないから」
「人としてどうなの、って先生ばっかりなんですよ。そういう人ばかりよくぞ集めたと拍手したい」

これまで、何人の人から鋭い批判の数々を耳にしてきたことでしょう。

キュウリ農家さんに聞いてみました。

「主治医はどなただったんですか?」

「院長先生です!」

キュウリ農家さんの顔がますます輝いたのが目に見える、というかんじでわかりました。

「名医です。すばらしい先生です」

「あの、じゃあ、抗がん剤を処方されたのも院長先生で?」

「うーん、それは、おぼえとらんです」

「だけど、ものすごい確率で奥さんのがんにぴったりあうのを選ばれたんですね」

「そうですよ! いくっつもあるのに。抗がん剤たってひとつや二つじゃないですからねえ」

「遺伝子検査とかして選んだんですか?」

「いやそれはしとらんです。先生が選んでくれたとです」

「すごいですね」

「名医ですよ。あなたはどこの病院ですか? 人吉がいいですよ」

・・・・・・言葉を、どうつなげればいいのか迷いながら聞きました。

「奥さんは、抗がん剤がいやとかそういうのは最初からなかったんでしょうね」

「それはぜんぜんないです」

即答でした。


「ぜんぜん?」

「はい。予防のやつも受けたし、だからもう、あいつはほかのもんより元気なんですよ」

気のせいかもしれないけど、ご主人は抗がん剤治療を受けた奥さんをうらやましがっているように聞こえました。

「予防のやつ」は、ぜったいカンペキな予防をしてくれそうだ。
薬が血管やリンパ管にのって、ハイスピードで体中をかけめぐり、余計なガン細胞をぷっちんぷっちんつぶしていく。
そんなイメージがご主人にある。
て、ことは奥さんにもある。

半年の抗がん剤でがんがみるみる小さくなっていく経験をしてしまったら、
ふつうはそうなるでしょう。

奥様は片方の乳房を切除し、抗がん剤治療ののちに、鉛筆の芯となったがん腫瘍を切除し、
最後に術後補完療法としての抗がん剤治療を受けられたそうです。

最後のこれがつらくて抗がん剤嫌いになる人は多いそうです。
私もつらくて逃げ出したくちです。
術後補完療法は、がんを小さくするための療法より一般的にきついそうです。

奥さんはそんなこと感じなかったかも。

「副作用はなかったですか?」

「いや、髪は抜けましたね。あと少し吐き気とかあったみたいです」

「ああ、そうですか」

「でも!」

キュウリ農家さん、がぜん元気になっていいました。

「今は副作用を抑える薬がすごいいいのがあるんですよ!
だからちょっと気持ちがわるいかなあ、ってくらいで、たいしてきつい思いはしとりません」


知ってます・・・。


お礼をいって帰りました。
びっくりしすぎてお礼として用意していたぶどうをお渡しするの、忘れていたことに気づいたのは、車が動き出してずいぶんたってからでした。

車の中でおっとと盛り上がりました。


「彼らがラッキーだったのは、近藤誠さんとかの本を読んでいる人が周りにいなかったことよね」

「抗がん剤とか病院とかに、悪い印象がなんにもなかったってこと」

「名医って言葉、テレビ以外で初めて聞いた」

「ネガティブな話をいれてくるのは、親切でやっている人がほとんどだろうけど、
親切でもなんでもないね」

「知らなきゃずっと素直に治療受けられる人、けっこういるかもね」

「だって昔はそうだったんでしょ? 効かなくても。今は抗がん剤が効く人がいっぱいいるんだもん」



最近の抗がん剤がどれだけ進んでいるか(それは事実)
最近の抗がん剤による副作用を抑える薬が進んでいるか(これも事実)
院長先生からとくとくと教えてもらったのでしょうね。

あんなに心が抗がん剤や、治療を受け入れていたら、効く威力が倍増しても不思議じゃないかもしれない。

病院のファンになれるっていうのは、治療に必要な要素だと改めて思いました。

キュウリ農家さんがほめそやしている人吉医療センターは、
日本じゅうにいちばんたくさんあるタイプの病院だと思います。
お客さんが多すぎて、スタッフの手がまわらず、毎日毎瞬、「人としてどうなの!」といわせる対応が起こっている。
(じゃなきゃ、こんなに病院を批判する声が日本じゅうに巻き起こってないでしょう)

どうせこの病院で、この先生から受けるしかない状況なら(地方ではありがち)、
キュウリ農家さんのご主人みたいに、まるごと病院の大ファンになってしまうのも治療法のひとつかもしれません。

もちろん治療に関して病院に丸投げするのではなく、参加する意識でのぞむことは前提。
そのうえで、「名医にかかってよかった。わたしはラッキーだ」と思うこと。


ちなみにわたしはおんなじこと思ってますね。
いい病院、いい先生にかかってよかった。わたしはラッキーだ。
おかげで抗がん剤治療はじめて3ヶ月で腫瘍が縮小して、できなかった手術ができるようになり、
腫瘍マーカーは最悪時の9割減。


そりゃーえみこさんが運がいいからだけでぇ


といわれそうだけど、でも、ほんとうに病院が選べない、医師が選べない状況だったら、
状況を嫌がったり逃げ腰になったりするよりも、
キュウリ農家療法、やってみる価値あるんじゃないですかね

自分を治してくれようとしているスタッフのすべてにラブラブ光線を送る療法です。


自分の気持ちに嘘はつけない? そうですか。そういう人はそういうことでりょーかいでーーす。


追記

そういえば主治医も、私が「どんなときに抗がん剤が効くか」を聞いときにあげた条件のひとつに、
「主治医と相性がいいとき」というのをあげていました。あと二つくらいあったな。なんだったっけ?

相性っていうのは宿命的なものではなく、変えられるものです。
知人で、主治医と相性がよくなるように努力しているひとがいます。
かかりはじめた当初は病院&医者批判が多く、
聞いていると病院スタッフへ向ける言葉がちょっとシビアだったけど、
「お医者さんだって人間だから、自分のこと頼りにしていると思わせたほうがトクよ」
などとアドバイスしていましたら、言動を変えたようで、関係がよくなっているようです。
そのほうが入院生活も心地よいにきまっているし。
病院変える気がないなら、自分変えるしかない。オトクなのはどっち? です。


ぶどうがどんどんきてまーす
錦自然農園フルーツストア

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