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ともだち

「ともだちが、よく来るよねえ」

と熊本のともだちによく言われます。
そうかなあ~。そんなにしょっちゅうじゃないよ、と答えるけど、
お友達が遠いところからへんぴな場所にある我が家にわざわざ来てくれるのは、
最高のプレゼントです。

ありがたくてうれしくて、くーちゃんなみにわんわんわんわん!
いっしょにいる時間が楽しくてうれしくて、帰る時間が近づくと、いやだ、帰らないでずっといて! 言葉に出さないけど、子どものようにずんずん暗くなってしまいます。


今回来てくれたのは
20代の初めに出会い、週に何度も飲みにいったり徹夜でチケットぴあに並んだり小劇場の暗がりでひざをくっつけるようにして芝居を見ていた若き日にがっつりと仲がよかった女子たち二名。

熊本の我が家に来てくれるのは初めてです。

「えみちゃんから結婚するって聞いたときは、農家なんて大丈夫なのか! ぜったい無理だろお~って思ったよね」

えー、そお? 

「東京とかニューヨークとか都会と都会的なものが好きなんだと思ってたし。自然とかってぜんぜん似合わなーい」

そ、そうなんだ。

「だっていっつも家にいないし~~、いっつもヒラヒラヒラヒラあっちこっちいってたでしょお。えみちゃん、東京にいないよ、ってしょっちゅうだったもーん」

いわれてみれば、そうだったかもね。


数えてみたらあっというまに30年超えてしまったけれど、
父親が泣いてとめるのも聞かずに、東京に移住してすぐの頃から、
いつも心配しながら見守ってくれていた母親目線の友人たち。


うんと年長者からされるみたいに心配される自分の立ちイチは、
今から思うとなんて幸せモノだったのかと思いますが、そういうのが理解できない私は、
「どうしてそんなふうに思うかなあ、大丈夫よ」と口うるさい母親に反抗する女子高校生のようでありました。


「えみちゃんは自分のことをふつうだと思っているようだけど、ぜんぜんふつうじゃないから。
私たちのほうが変わってると思ってるよね。違うんだよ。変わってるのは、こっちじゃなくて、そっち」


「そういうことばかり言われてますよ。この性格で事故事件にあわずここまでこれてるんだから、よほど運がいいんだとか、守護神さまだったか何神さまだかにものすごく守られているからだ、とかよく仕事してたカメラマンから真顔で言われたし」


「あのころのえみちゃん、みーんなの懐にきゅうって入っていってた。えみちゃんは覚えてなくても、相手は今でもえみちゃんのこと覚えてると思うよ。ふつうはこれだけ無防備にひとの懐にはいっていくと、大怪我したりするんだから。警戒心というものがなさすぎ」


「そうなのかなあ。この人おもしろいって思ったら、話しかけるだけよ。
話して相手がうんとおもしろい人だったら、飲みにいきましょう、と言ったりするからイロコイか?って誤解されたことも数知れずあるけど今も基本かわってないなあ。そういうことは普通じゃないんですよ、って最近も言われたけど。
基本にあるのは好奇心だけなんだわ。相手が偉いヒトとかガイジンとか男か女か関係なくて。
うちにくるか、といわれて、つついていったこと何回かあるけど、困ったことになったことないし」


わたしにとってのおもしろいって、変わり者、へんくつ、純粋に(儲けに関係なく)何かを追求している人であることが多いけど、それはあとでわかることで、私が話しかけたホームレスみたいに見えた外見のひとが実は日本でも一冊まるごと特集が組まれるようなアーチストだったとか(アトリエに招待されてやっと知った)、知る人ぞ知る異端の医者だった(私は知らなかったが友人たちが知っていた)とか、よくあるんです。
じまんぽいから人に言ったことないけど。


「初めて会ったその日に結婚を決めるなんて、だよ。あなたはパッションのヒトだから、そういうのわかるけど、わけるけどさあ、ネットで出会ったんだから慎重に、●●(べつの友人)みたいに何年か時間かけてって思わないのかなあって」


「でもねえ最初のコンタクトでわかるんだよ。私だけじゃないと思うけどさ。わかってることがわかってない時代が長かったけど、もう、自分がわかってることがわかってるから」


誰の懐にも入っていくわけじゃないんです。
誰もが公開してはばからず覆いもなく開陳してくれている本質に、耳をすませてます。


本質とは、年をとっても、どんなに時代が変わっても、変わらないもの。
付き合い期間ゼロでも、人となりについて知らないことだらけでも、
その情報があると不安になれませんでした。

だから3回目に会ったとき「もう入籍してもいいんじゃない」と彼にいわれ、「それもそうね」と入籍した早業を、「バンジージャンプみたいな結婚」と誰かにいわれたけど、ほんとはそうじゃないのでした。


「結婚相手を選ぶときに私にとって必要な情報って何なのか、最後までわからなかったよ。ネットで探すには条件が必要だからね。あえていえば人にぶつかったときに思わずチッて舌打ちする人なのか、ごめんなさい、ってすぐ口に出る人なのか、ってとこは重要だと思ってたけど、それを条件にして探すの無理だもんね。人が見てないときに出てくるものだから」


だけどわたしの方法だとそういうことが、わかってるかわかってないか本人にわからないうちにわかるんですね。



「やさしいご主人さまでよかったね」



「ほんとにね。でも、こんなに優しい男と結婚しているなんて最近まで知らなかったよ」


渓流が脇を流れる森の中の道を歩いているとき、ともだちにいいました。


「わたし、かれと結婚できたことは奇跡だと思ってるの」



うん。ほんとうに。奇跡。


それと。
言わなかったけど。
30年以上前に、東京に行ってすぐの頃に彼らに出会えたこと、
危険なことや悲しい目にあわないように昔も今も心配してくれるやさしい彼らに出会えたことも、奇跡。



「えみちゃんがしあわせでいるのを見れてよかったよ」



といい残して帰っていくので泣きそうになりました。




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いまだとミックスに「瀬戸ジャイアンツ」か「シャインマスカット」入ってる可能性大。
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