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スモーキング・ブギ

福岡には二ヶ月に一度くらい行きますが、いつも突然思いついて行くので
短い滞在でさっさと帰ってきます。
数ヶ月前、その短い滞在中に東京から女ともだちが出張で来ていることがわかり会うことに。
ともだちネタが続きますがそのときの話。


ある雑誌の編集部で出会い、20年前からの飲み友達。
独身で、フリー編集者・ライターで、仕事が趣味で、鯉とグルメと本が大好物という共通項につながれて、お互いのすったもんだのじんせいを見てきた、まあ言ってみれば戦友。

5年ぶりにあった彼女は、
いつもそうだったように、カンペキにおしゃれで隙のないコーディネイトは変わりなく、
聞いててワクワクする楽しそうな仕事をしているのも変わりなく、
たばこを吸っているのもやっぱり変わりなかった。

話題はわたしの病気のことから、共通の友人たちの話にうつり、
カメラマンのだれさんとライターのだれさんが組んで飲食店を開いたとか、編集者のだれさんが地方再生のプランニングの会社を興したとか、逆にたいへんなことになってるだれさんとかの話とか、人のうわさ話で激しく盛り上がり、
何よりもいまやってる仕事がお互いにとって興味が尽きないから質問が尽きず、
時間制限あるなかでのつかのまの邂逅であるせいもあり、2人ともいつもの十倍のマシンガントーク。

そういうなかで、言う話じゃないよね

と最初は思ってました。
だけど、途中から気が変わりました。
今日言わなかったら一生言わない。そして言わなかったことを後悔し続ける。
私がおせっかいな性格なのは母ゆずりなんです。それはときに社会性が低いという域に達する最高レベルのおせっかい。
わかってます。自覚してます。
でも言うよ。言わせていただくよ。


「たばこ、やめないの?」

「うん。やめない」

「やめたほうがいいよ」

「・・・・・・・」

「こんなこと、誰にでも言わない。たばこやめてほしいよ。おねがいします」

「あのねえ・・・・」

「がんになる、って言われているものたくさんあるけど、たばこに比べたらそんなの屁だよ。

放射能がどうとかって移住してまで避ける人いるけど、福島に住むのとたばこ吸うのとどっちが発がん可能性高いかって、比べるまでもないよ。たばこ吸うことだよ。

マクドナルドがどうとか農薬がどうとかあれ食べたらダメとか盛んに言う人いっぱいいるけど、
何食べたって、たばこほど悪くない。

がんになる理由はたくさんあるし、ほとんどは事故にあうみたいなもんで避けがたいけど、タバコ吸うこと、そしてお酒飲むことが加わったら、リスクが凄く高くなる。

で、女性だとリスクはさらに高くなる。●●は、こんなこと知ってるとおもうけど」


「あたしねえ、死んでもべつにいいの。
好きなものやめて、長生きしようって考えがはなからないの。
だから、そうやって言ってくれてありがたいけど、いいんだよ。早死にしたいんだから」


「私、死んでもいいっていうことだったら●●よりずっとそうだった」

「だよね。原始仏教とか非二元(アドヴァイタ哲学)とか、あなたには頭にというより体に入ってるかんじしてたけど、そうじゃなかったってことなんだ?」

「つまり、ある意味、死よりも生に目覚めた。医者に何をいわれたところで、おっとに申し訳ないくらいオタオタとできなかったんだけど、今はそのときのわたしじゃない。それはどういうことかっていうと、生きてることのラッキーに気づいたっていうか」

「・・・・・・」

「今になるまで、この立ち位置にくるまでわからなかった。私毎日しあわせなの。夜、自分のしあわせさに興奮して眠れなくなるくらいしあわせ。

それはおっとがいるからとかじゃないよ。痛くなくて、元気で、呼吸して、歩いて、しゃべって、料理もできる。一日のいたるところで、しあわせだあって気づいてそのたび、うわあラッキーって感激してる。ヒデキだよ」

「・・・・・・・」

「どうでもよかった自分の生き死にが、どうでもよくなくなった。うーん、そのことば、ちょっとちがうな。
死に行く生命は全生命の宿命だから、そこに逆らう気持ちは相変わらず全然ないな。だけど、自分がたまさかの幸運でいただいているいのちを、可能性のある限り、ダイヤモンドを大事にするみたいに大事にしようって思うようになってさー」

「ダイヤモンドだったら大事にしないでしょうが、あんたは」

「そうだった(笑)。

まあ、こんなふうになってから自分のダイヤモンドに気づくのもありだと思うし、それは人それぞれだけど。
だけど●●は、わたしのともだちだから、わたしの話が今日耳に入ったんだから、今からダイヤモンドをだいじにしてほしいわけ。

だいたい、がんになったからって、簡単には死ねないから。

痛くてつらいとか、金がない苦悩とか、働けない寂しさとかを途中で通過しないといけない。

とりあえず●●はすぐにがん保険に入れといいたい。
がんになったとき、ひとりもんで、東京で、個人事業主でって考えたら、きついこといっぱいあるよ。
もし万が一、●●がわたしのような目にあったらと思ったら、かわいそうで今からでも涙でる。

いくら人間ドックしたってがん種はいっぱいあるし、全可能性をチェックできるわけじゃないから、避けられないものは避けられないし、なるときはなる」

「うそ・・・・」

「早期に発見したら大丈夫っていうがんばかりでもないしね。
発見が遅くなくても、できる場所が悪かったら人工肛門が避けられないこともあるんだよ」

「え! まじ?」

「まじです。膣の切除とかもわりと珍しくないみたい。がんはいっぱいあるからね、美貌が激しく損なわれるがんもある。
死ぬことと抗がん剤で吐き気が、とかしかテレビで取り扱わないけど、それだけががんの苦痛だと思ったら大間違い。

がんって早い時期から痛くなる人は痛くなるよ。死ぬ間際だけ痛いというのは誤解で。

病院行きません、治療受けませんなんて今だから言える。そんなこと言ってたらめっちゃ苦しい目にあって最後に駆け込む。あたしみたいに。駆け込めたわたしはまだラッキーで、かわいそうなことに駆け込む先がない人もいる」

「そうか」

「たばこ、やめてほしい」

「ありがと。なんであたし、知らなかったんだろ」


(この場合彼女が知らなかったのは、たばこのリスクじゃなくて、がんってどういう病気なのかメディアにさんざん書いてるはず、読んでるはずなのに、必要なことは知らなかったってことですね)


ほんとうは全員にいいたい。


がんになるのは一部の運が悪いひとだけ、たばこをガンガンすってたうちのじーちゃんは、天寿をまっとうしたから大丈夫

とか思っている人たちに。

たばこはやめなさい

って。


たばこくらいで、そんなもんくらいで大損するのは、愚かだと思わないかな。
友達や家族があなたのせいで泣くようなことになりたい? 自分からそうなる可能性拡げてるんだよ。
あなたがたばこをやめられないのは、ニコチン中毒だからですよ。
禁煙外来はどんな田舎でも都会でもやってるから、内科にいけばよいですよ。
私も行けばよかったよ。うちのおっとは行ったよ。三日で止められたよ。
ニコチンという化学物質に踊らされている自分をやめたら、なんでこんなことしてたのか過去の自分を理解不能って思うよ。


煙の出ないたばこなんか吸うくらいならスカッとやめて、リスクを減らそうよ。
喉のがんになったら、声が出せなくなったら、イヤじゃない?
(べつにイヤじゃないから。って声帯を切除してもたばこ吸ってる人を実際に知ってるが)


食道のがんになったら、食べれなくなってしまう。おいしいものを一緒に食べに行こうよ。
ずうっとそうできるわけじゃない。限られた時間しか生きられないのが私たち生命あるものの定め。
だからこそよ。今をだいじにしてよ。あなたにはやめて欲しいよ。




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