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「治療は医者と患者の共同作業である」 by 押川先生

定期的な「ヤク注入」のために宮崎の病院に行ってきました。
治療後は薬剤の影響で眠くなるので自分で運転ができず、毎回おっとの貴重な(!)一日を奪って運転させ、朝7時出発、夜に近い夕方に帰宅しています。

点滴しながらふたりで食べるためのお弁当を、塗りのお重につめて病院に持参しています。
昨日はおっと作の肉じゃがをメインに卵焼き、きゅうりの和え物、らっきょう、うめぼし、たくわん、おにぎり、柿をいれて。

血液チェックでは過去最高にいい数値でした。

病気になるうーんと前から、強度に貧血でたんぱく質も低いのが私のあたりまえでしたが、今では十分に高い数値。
一生懸命、肉を食べてるせいかな。鉄剤はとっくに止めてます。
白血球も人並み。肝臓系の数値も良好。

「あなたより数値がいいんじゃない?」なんてオットにじまんたらしく言いながら診察室をあとにしました。

<診察室での会話>

「心配する理由が何もないです」

私「来週から東京いくんですけど、毎日スケジュールぎっしりで。こんな生活ながらくしてないので、ちょっと心配」
押川先生「(データ見ながら)心配する理由がなにもないですね」
私「そうですね。そうなんだけど・・・」
押「ま、ものすごく悪くなったらとりあえずエチゾラム飲んでみてください」
私「ああ、その手でいけますか」
押「やってみるということですね」
私「(まだ心配)」


「いい思い出作ってください」

押川先生「がん治療というのはいいときもあれば悪いときもある。これまでがんばったから今の調子のよさがあるわけで。
悪いときにいいときのこと思い出して力にするためにも、元気なときにいい思い出をたくさんつくっておいてください」

(診察室を出て)

私「押川先生ったら、そこまで言わなくてもいいじゃんね~」
夫「そういう意味じゃないよ。いいときも悪いときもあるんだから、元気なときは元気なことを一生懸命たのしんで、悪いときはよかったときのことを思い出して、あんなふうになりたい、早く治りたいって思うことで、また養生に力が入るっていう意味だよ」

なるほど! やっぱり私は、ヒガミっぽくなってるんですね。
コミュニケーションの行き違いが医療現場でいっぱい起こっているのは、患者と患者家族ならではの潜在的な負け犬感(私だけかもしれませんが)を加味して医療者が話してくれないからというのもあるかも。望みすぎかしら。

「横ばいですね」

私「あ、腫瘍マーカーはどうですか」
押川先生「ああ(←毎回催促しないと教えてくれない)これですね」
私「(身をのりだして凝視してから)いいじゃないですか~」
押「横ばいですね」
私「横ばいって、こんな底辺で横ばってるならいいってことでしょう」
押「ま、そうともいえますかね」

※あまり知られてないことですが、腫瘍マーカーは腫瘍が小さくなっても数値が高くなったり、腫瘍が大きくなっていても数値が小さくなったり、人によって出方が違うのでおおざっぱな目安にしかなりません。
しかし、CTなどの画像に比べて素人でもわかりやすいため、私のようにマーカー値に一喜一憂する患者が多く、それは場合によっては治癒のさまたげになるので、押川先生はぜったい腫瘍マーカーを自分から教えません。

体調記録グラフ

押「(私の提出した「体調記録グラフ」を見ながら)今回は体調に問題がなかったみたいですね」
私「そうなんです。イリノテカンやめたおかげとスインプロイク飲んだおかげで。でもちょっと最後のほうお通じ悪くなりました」
押「それでもピコサルファートは飲んでない(記録を見ながら)。よっぽど悪い記憶があるんですね」
私「そうなんです~。でも悪いといっても出てないわけじゃないから。ほら見てください(記録をさし示して)」
押「出なくなる前に予兆を感じた段階で飲んでみる、試してみる、というのが大事なんですよ。試してみると、ひとつ結果が出て、次の指針になるじゃないですか。結果がどう出ても、試したことは無駄になりません」
私「次からそうします(毎回言っているがしてない)」
押「それにしても、調子がいいとグラフの書き方が雑になりますね」
私「あらそんなことないです。項目は同じです。特記すべきことがなかっただけです」

※体調記録グラフとは、先生に毎日の日記をつけるようにいわれて、日々の体重、お通じ、痛み、食欲、体調、薬などを記録し、それをグラフ&表化したもの。受診のたびに持参している。


もっと医者に伝えないと

私「ちょっと関係ない話していいですか」
押「どうぞ」
私「友人のPさんのことですが、副作用の吐き気が止まらないらしいんです。先生前に言ってたでしょう。今は吐き気を抑えるいい薬が開発されているから、抗がん剤の副作用で吐き気できついというのはありえないって。どうして彼女のは止まらないんですか?」
押「主治医とちゃんとコミュニケーションしてないんじゃないですかねえ。どれだけ自分がきついか伝わってないんだと思いますよ」
私「そんなことないですよ。点滴で吐き気を抑える薬とか入れてるそうだし、でもだめみたい」
押「つまり伝わってないんです。(彼女にも)口で言うだけじゃなくて、記録をとって医者に伝えるようにとは言ったんですけどね。医者は言うだけじゃ伝わりませんよ。オランザピンを使えばいいんじゃないですかね。これが効かないなら脳の転移を疑ったほうがいいかもしれない」
私「えー。そこまでいってたらいくらなんでも主治医にはわかるでしょ」
押「わかりませんよ。患者がちゃんと伝えることを全部伝えて、それから医者が動くんですから」

※友人Pさんの副作用は抗がん剤のではなく放射線によるものであったとあとでわかりました。その場合、オランザピンは使えないのでした。

<診察室の外で>

もっと医者に伝えるために

押川先生と出会って5ヶ月。「病気治しは医者と患者の共同作業」であることをマンツーマンで教育されております。
とってもラッキーです。

先生がいうには、患者側がすべきことは主に以下の2点。

①患者の状態を正確にあまさず伝える。伝えたつもり、にならないように「文章化」「紙に書く」が大切。
②ネットなどで新薬の販売開始情報などを得ることができるので、自分の薬は自分でみつけるつもりで、正しい情報を取得し、医師に提案する。そのためにも自分の使っている薬剤を正しく把握しておく。


①について、まず忘れてはならないのは、口で言ったから医療者に伝わったと考えるのは患者の傲慢である、ということ。

私が何度言っても忘れてる、または誤解されてるまま、ってこと、押川先生にもありました。
こういう病気にはこういう症状っていうのが頭にあり、その前例の中から私の話にあう部分を抽出しようとする聴取のクセが、失礼ですが医者側にあるのではないかと想像します。

そういうことは全医師にあると思ったほうがいいのかもしれない。たぶんそうです。
先生から教わった方法をこのたび、実母にも実行しました。
つまり、母が通っている大病院の主治医にお手紙を出したのです。

母が診察室で主治医に、言うべきことを言ってないことがわかったので、「これをいいなさい」とメモ書きを渡しました。
しかし、待てよ。押川先生は「手紙がいい」と言ってたな。と思い出して母に渡したメモ書きを没収。
母の病院の主治医あてに手紙を書いて、投函しました。

「手紙が送られてくると医者も無視できません。カルテにファイリングされるし、次に診察日までにその情報から医者側に準備できることがあるかもしれません」

手紙なんて書いたら忙しい先生からうざいと思われるかも、と思う必要はないみたいです。

「むしろ、この患者(の家族)はしっかり勉強しているから、こちらもちゃんと対応しなければって対応が変わる効果があります」


病院のPCからメールが発信されることはないようですから(ネット事故を防ぐため)、メールアドレスより携帯電話番号を書いておくとよいかもです。
私は母が以前がんになり、同じ大病院のお世話になったとき、説明を受ける機会にはすべて出席しました。

私の質問が治療法の細部にわたり、おまけにしつこいせいでしょうか。主治医は二回目から「娘さんがこれる日」にアポをいれるようにしてくれました。母からでなく、先生から直接都合を聞く電話をもらったことも。

自分のことだとここまでしつこく質問できないのです。
なぜでしょうね。自分のことだと頭がぼーっとして冷静さに欠けるのかも。論理より感情に支配される気もします。
母のことだと、どこまでも冷静に対処出来るのが不思議です。
「医療関係者ですか」と聞かれました。「医療本の執筆をしていただけです」と答えました。

退院しても定期ちぇっくに母は通っていました。3年後、その主治医が病院を辞めることになり、それを母に伝える際に、
「娘さんによろしくお伝えください」と言ってくださったそう。
コミュニケーションできてたのねと思いました。

ちなみにおっとは私がいくらぼーっとしていても、この2年、いっさい医師に説明を求めたり質問したりしません。
病院とは黙って話をきくところ、黙ってうなずく、受け入れるところ、と思っているのかも。
そもそも誰が相手でもしゃべる言葉数が極少ですけど。
「あんたもしゃべろ!」といっかい私が診察室の外でキレれたので、一言だけ発言したことがありましたっけ。
しゃべらないけど私以上に注意深く後ろで聞いてくれて、解釈の補足をしてくれる役割なんだと、最近気づきました。


ところで。
今日はわたしの手術記念日。がん患者という新しいステイタスで人生を生きるようになってまる2年たちました。
シャンパン抜いてお祝いだ~~~! 嘘です。


押川先生が月に一度東京でやっている公開セカンドオピニオンライブ!
ハイパーサーミア詐欺にあっている奥さんのためにご主人が相談に!
何分からかわかりません
↑をクリック。またはhttps://www.youtube.com/watch?v=Svy1Z6siMmk&feature=youtu.beをコピペ。
みなさんディープに勉強されていて、説明のしかたが知的で、東京のひとは頭がいいなーと感心させられます。

※ハイパーサーミアとはだいぶ前に保険認可されたものの効果を得た患者は少なく、この療法を詐欺まがいのおどし商法でがん治療に用いる医師が多いため、そろそろ保険認可も取り下げられるんじゃないか、と一部でいわれている温熱療法のこと。


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