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添加物を食べて救われた話

先日実家に帰ったときのことです。
弟(40代独身)がハウス食品製のポテトチップスを買ってきているのを見た私が、
「食べていい?」と聞きながら袋をベリっと開けましたら、
横にいた母が目をまんまるにして大きな声で言いました。
「あんたはそんなの食べる人じゃなかったのに」
え? ちょっと驚きすぎでは? と怖がりつつ
「いいじゃん、べつに」とポテチを口にいれましたら母ったら、
「ええええ~~」と奇声をあげるのです。
なんですか、この過剰な反応は・・・。

その数時間前、スーパーに母と夕食の買い物にいったとき、最近内布家でブームになっている「歌舞伎揚げ」もどきをかごにいれたときから変なかんじがしていました。
「こんなの食べると?」と母。
「これくらい食べてもいいでしょう」
「食べていいけど、あんたはそんなもの手にする人じゃなかったのに」
「そう? 食べてなかった?」
「ぜっっったいに食べてなかった」

ま、そうかもですね。
小学生のときに初めて食べたマクドナルドのまずさに驚き、以降食べることはほとんどなく、
シェークだのアイスだのも無理。十代のとき、買うだけは時々女子高生に付き合うけど、こっそり捨てている女子もどきでした。

ポテトチップスを本格的に摂取したのは熊本にきてからです。おっとが食べるので付き合いで手を伸ばしました。高校生のときはまずかったけど、それほどまずくもなくて、よく食べた時期もありました。
冷凍食品を買うようになったのも熊本にきてから。買わないで毛嫌いしてはいけない、と買いましたが、やっぱりまずいのでやめました。

そういう人間ですが、インスタント食品や加工食品が体に悪いと思っていたから買わなかったわけじゃなく、
まあすこしはそう思っていたけど、体に悪いものを厚労省が認可するわけないという気持ちもあり、食べなかった理由の大部分は自分で作ったほうがおいしいから。それがほとんどです。
ちなみに母からそういう教育は受けてないです。たまたま母とその方面の趣味があっているだけ。
残りの家族三人は玄米なんかぜったい口に入れない&ポテチ大好き派です。

話はここからです。
最近、何回も書いていますが、病気のため食欲がない時期が続いていました。

マクロビとか玄米菜食とか採用してましたが、食べたいものがなくなり、口にできた固形物は1日「ひとくち」という日もありました。
食材の規制を解除したのちも、おっとが丁寧に作ってくれるさまざまなものも、食べたくない、といってワガママにも拒否。
結局、よろよろとでも台所にたち、自分で食べたいものを探るように、自分の食べたいもの作るようになってから、食欲がすこしずつ復活していきました。

食べる→食べれない→食べる・・・数日おきにそれを繰り返していましたが、

劇的に食べるモードに転換するきっかけになったのは、
お湯で茹でるだけのパスタソースと出会ったことです。
過去に買ったこともない、典型的な添加物だらけ商品。

ところがです。
茹ですぎに限りなく近いパスタを、増粘剤でどろっとさせ、グルタミン酸をくわえてうまみをプラスしたソースで食べたら・・・

え?
最後まで完食したよ。
おっとも私もびっくり。

とてもとても久しぶりでした。
それからパスタソースをしばらく連続して食べているうちに、胃が開門したといいますか、食に対する欲望が復活したのです。
数日のうちに、なんでも食べられるようになっていきました。
一体何が起こったのかわかりませんでした。

ある本を読んで、自分の豹変の理由がやっとわかったので役にたつ人もいるかもしれないと、これを書こうと思いました。

「高齢者QOLの改善におけるうまみ調味料の利用」という研究発表(お茶の水女子大・山本茂教授/当時)がすこし前の日本栄養食糧学会で発表されたそうです。

それによると、病院の入院食におけるグルタミン酸濃度は、通常食の半分だということがわかりました。
グルタミン酸は典型的食品添加物ですから、体に悪いというイメージが強く、病院食に使われないのはわかります。

そこでグルタミン酸の不足分を食事に加える形で入院患者に与えるという実験が行われました。
ビデオ撮影による主観的評価と、血液分析の二方向で報告された結果、なんと

グルタミン酸摂取を増やした老人たちは、
認知スコア、食行動、意欲の表現などで向上がみとめられ、
血液ではリンパ球や血清亜鉛値が有意に上昇したそうです。


患者の家族による評価はもっと具体的で、「食事時間が短くなった」「味がわかるようになった」「退院したがるようになった」「表情がやさしくなった」等のポジティブな変化が続々報告されたのだとか。
なにゆえこれらの変化が起こったのかは、まだ解明されていませんが、現在グルタミン酸はアルツハイマー病の進行を遅くするのに使われているそう。

老人がグルタミン酸の摂取で元気になったように、私の復活もグルタミン酸のおかげだったのか。
グルタミン受容体は中枢神経系のシナプスに多くあり、胃と舌にもあるそうです。
体が弱っているとき、ジャンクフードだけがなぜかおいしいと感じてはいましたが、理由が不可解でした。
私にはジャンクフードに癒された過去はほぼないのですから、ノスタルジーとはいえないのです。
まさかぎりぎりの状態になった体が欲したものが、悪名高き食品添加物だったとは。
まったく思いもかけなかったことで、びっくりしました。


東大の研究者が昆布のうま味成分としてのグルタミン酸を発見したのは1908年のこと。
「うま味」という名称もそのとき誕生しました。
1909年には、グルタミン酸を構成アミノ酸として含む「小麦グルテン」を分解して、グルタミン酸を大量に製造する方法が発明され、商品化されました。それが「味の素」です。

昭和30年代、食事をおいしくする魔法の調味料として、味の素はNHKの料理番組でびしばし使われたそうです。
途中から一企業の商品名をNHKが出すのはまずいと気づき、「化学調味料」という一般名詞の名称が生まれました。

化学調味料という名前がイメージさせるのか、グルタミン酸は石油から作られていると信じている人もいるそうです。
グルタミン酸は筋肉などを構成しているたんぱく質の一種。
脳の中で1時間に700gも合成され、分解されている重要なアミノ酸のひとつです。

うま味成分としてのグルタミン酸は、サトウキビやとうもろこしの糖分を発酵させて作られています。
その意味では、麦の糖分を発酵させたビール、ぶどうの糖分を発酵させたワイン、ブランデーなどと本質は変わりません。

白い粉末にして見せられると恐ろしい薬剤のようなイメージを与えられますが、それはイメージ操作かもしれません。

おいしいかどうかでいうと、昆布でしっかりだしをとったグルタミン酸の味と、サトウキビ等から抽出したグルタミン酸の味は比べ物になりません。
添加物で味を強くした市販のキムチがおいしくないから、私は自分たちで作ろうと思いたちました。

私たちのキムチをおいしいといってくださる方もいますが、「味が薄い」といわれることもあります。
昆布と煮干しでじっくりとっただしに頼っている味は、添加物でつくる味より弱くなるのはしかたないです。
味を強めるために「いかの塩辛」を入れたいと思うときもありますが、添加物なしでそれを作るのは安全面で不安があります。
添加物なしで「いかの塩辛」の安全性を担保する方法は塩を増やすことですが、塩辛のためにあえて増塩するのはいかがなものか。結局いかの塩辛は今までのところ使っていません。
こうした試行錯誤の果てに私たちのキムチは作られています(今季は来月からですが)。
おいしいかどうかは、人それぞれ。気に入ってくださる方が求めてくださればうれしいです。

話を戻します。
本当に弱っているとき。食べることができるかどうかが生死にかかわるとき。
グルタミン酸をたくさん摂取することで元気になる可能性があるっていい話ではないですか?

ご家族が弱っているとき、認知症の入り口にいるかも、と思われるときに、グルタミン酸をたっぷり摂取できるような調理をしてあげてみてはいかがでしょう。グルタミン酸の入った鶏スープの素をいろいろな調理に使うとか。
メカニズムが未解明だとしても、試してみる価値はあると思います。

かつおのうま味成分はイノシン酸、しいたけのうみ味はグアニル酸というそうです。
カタカナにした瞬間から白い粉をイメージするのは化学に弱い私たちの宿命(?)ですが、あらゆる物質は化学名で表現できます。きゅうりだってリンゴだって化学名に分解できます。米にはヒ素も入ってます。
コンビニのおにぎりに入っているということで毒物扱いされていたグリシンも体内にあるアミノ酸の一種です。

食品の裏側をひっくり返して「アミノ酸と書いてあるならそれは危険」などと書いてあるのを読んだことがありますが、体内にもともとあるものを摂取したところで大きな問題になるのかどうか。
消化された食材は天然素材であれ加工品であれ、分子として存在するとき身分に貴賎はありません(笑)

マウスの実験でグルタミン酸が人体に悪い影響があるという研究発表が耳目を集めましたが、
「化学調味料危険論」は、現在ではWHOもFAO(国際連合食糧農業機関)もFDA(米国食品医薬品局)も否定しています。

もちろん量がすぎればなんだって毒になるのはあたりまえです。

量がすぎれば醤油でも塩でもバターでも水でもどんな物質でも、人を殺せる毒になります。致死量まで飲むことが想定されてないだけで。

グルタミン酸の場合、量が多すぎるとひどい味になってしまい食べられたものではないそうで、悪徳業者がいれすぎたのを食べる人が気づかないということはまずなさそうです。



というわけで、私は最近これまでに食べなかったものに近づいております。

マクドナルドにも「人生で3回目」だという母と一緒にいきまして、新製品のなんとか、というのがおいしかったです。
よりおいしいのはオーヴォンビュータンやピエールエルメにきまっていますが、スーパーで買う150円のクッキーもおいしいです。
母の食の趣味には賛同していますが、安いせんべいを一枚かじるたびに驚きの目を向けるのはやめてほしいです。


※参考文献 『長村教授の正しい添加物講義』(長村洋一著 ウェッジ)



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